新潟大脳研究所のチームは、脳梗塞で詰まった血栓を溶かす薬剤「TPA」の効果を向上させ、副作用を抑える可能性がある治療法を開発したと評価した。
TPAの投与と同時にたんぱく質「プログラニュリン」を注射する。
ねずみを使った実験では脳梗塞が小さく押さえられ、TPAの副作用である脳出血や脳のむくみが大幅に軽減された。
脳梗塞に有力なTPA治療を効果的に行うには発症から4時間半以内にはじめなければならないが、このたんぱく質と併用すれば治療開始が遅れても患者の状態が改善される可能性もあるという。 現在の対処方法:脳梗塞でt-PAでも溶けない場合はカテーテルのペナンブラ
プログラニュリンは認知症発症の抑制や傷の治癒などに関係するたんぱく質で、人の体内でも作られる。
チームの下畑准教授神経内科は、近く臨床試験を開始し安全性を確認したいと話した。
ねずみ5〜7匹ずつに人工的に脳梗塞を起こさせ、ねずみとしてはきわめて遅い4時間後にTPA治療を開始した。
同時に1匹300〜370グラムの体重に対して0.1グラムの料のプラグラニュリンを注射したグループはそうでないグループと比べ、脳梗塞の大きさやむくみが3分の1程度、出血は10分の1程度近くまで抑えられた。